2023年5月29日 News

 

こんにちは、鍼灸整骨うりずんの金親です。

前回から「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」についてお話ししています。

前回は、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」はどのような病気かについて説明しました。

『第9回ブログ 「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と不妊について」 その① 多嚢胞性卵巣症候群の特徴』で詳しくお話ししていますのでご覧ください。

「多嚢胞性卵巣症候群」では、血糖値が高い状態が続くと排卵障害が起こりやすくなります。

今回は、多嚢胞性卵巣症候群のみならず健康を保つうえでとても大切なお話し、高血糖が続くととてもよくないということについてお話しします。

【血糖値を下げる仕組み】

まずは血糖値を下げる仕組みについてお話しします。

食物を食べると食べたものは胃・小腸で消化され、小腸で吸収されます。

血管の中に糖が入り、血糖の量が血液中に増え、様々な組織の活動エネルギーとして使われます。

そして余分な糖がでれば、膵臓からインスリンが分泌されます。

インスリンが働くと肝臓や筋肉や脂肪細胞にグリコーゲン・脂肪という形で取り込まれます。

血糖はいつでも100㎎/㎗位に調節されています。

【血糖をコントロールすることの大切さ】

血糖とは、血液中に溶けているブドウ糖のことです。

糖は、筋肉を動かすにも、脳を働かすのにも大切なエネルギーです。

特に脳はいつでも糖を大量に使っています。

血糖が下がりすぎると脳にかかわる様々な症状が出ます。

まずは、動悸や冷や汗・手足の震えなどの自律神経症状が出ます。

ひどいと意識障害や元に戻らない脳障害が起きます。

場合によっては、命を落とすこともあります。

糖は生きていくうえで必要な栄養素で、体にとって悪ではありません。

人間は血糖値を上げることにくらべ、血糖値を下げることが得意ではない生き物です。

本来人間は、狩りや植物採取で、生きてきました。

むしろ飢餓状態になることの方が多かったはずです。

蓄えていたグリコーゲンや脂肪を糖に戻し、狩りや植物採取に出かけるためのエネルギーを作ります。

血糖値を上げるためのホルモンは、糖質コルチコイド・グルカゴン・アドレナリン・ノルアドレナリン・甲状腺ホルモン・成長ホルモンなど複数ありますが、

血糖値を下げるためのホルモンはインスリンしかありません。

血糖が足りない状態を防ぐのが人間の基本形で、血糖値を下げる装置をあまり作りませんでした。

今の日本は幸せ(?)なことに飽食の時代を迎えています。

血糖値が下がれば、自慢の血糖値上昇装置が働き、おなかが減り、食べ物はいっぱいあるので、いつでも食べることが出来ます。

甘いもの好きで、いつも甘いものを食べている方などは、得意ではない血糖の量を減らす作業をいつもやらなくてはいけません。

代々農耕によって生活を立ててきた我々アジア人は、食べ物の減る寒い冬の飢えには強くできています。

しかし、我々農耕民族アジア人は、牧畜で生きてきた西洋人と比べ、インスリンの分泌と働きが良くありません。

白人でとてつもなく太っている人がいますが、あれは余分な血糖を皮下脂肪に変えることが出来るからです。

血糖値を上げずに皮下脂肪を蓄え太れること自体が天性の資質ということです。

日本人は、食べ過ぎると皮下脂肪よりも内臓脂肪で糖を体に蓄えがちです。

内臓脂肪は、インスリンの働きを落とします。

血液中の糖がいつも多いとインスリンの働きが悪くなります。

膵臓は、インスリンをたくさん出しそれをカバーします。

インスリンをいつもたくさん分泌するとインスリンを分泌する力が弱くなります。

すると、血糖を下げられなくなり、糖尿病になってしまいます。

いつでも食べ物のある飽食の時代は、日本人は、糖尿病になりやすいのです。

糖尿病になると様々な血管障害が起きます。

特に毛細血管は血糖値が高い状態が続くと壊死してきます。

指先など先端が腐ってきたり、目が見えなくなったり、砂糖漬けの血管はもろくなるので心臓や脳の血管が破れたりと、死に至る様々な症状が出ることになります。

少し話は変わりますが、食後に眠くなる方いらっしゃると思います。

これも食後の高血糖とインスリンの大量分泌が関係あります。

食後に血糖値が急激に上がるとインスリンは、大量に分泌されます。

すると、血糖値が急に下がるので脳で血糖が不足し、眠気やだるさが出てしまいます。

また、血糖量の急上昇と急下降は、糖尿病の原因にもなります。

血糖の急上昇・急下降を避ける食べ方があります。

最初に野菜・キノコ・海藻などの食物繊維、

次に肉やお魚などのたんぱく質、最後にごはんやパンなどの炭水化物といった順番で食べると糖質の吸収が緩やかになり、急激な血糖上昇が避けられます。

次に血糖値とストレスについてお話しします。

【血糖値とストレス】

血糖値が下がると空腹を感じます。

空腹感は、食欲という生きるための根源的な欲求を満たす大切な感覚です。

人間は、脳を巨大化させることで、ここまで進化しました。

脳の活動エネルギーは主に糖になります。

血糖が減ると脳の働きは低下します。

命の危機に直面する可能性があるということです。

脳は、血糖の量をいつでもモニターしています。

血液中の血糖量が下がると蓄えていた糖を血液中に戻します。

脳は、腎臓の上についている副腎や甲状腺などの器官にホルモンを出し血糖値を上げるよう指示します。

その中には、副腎髄質から出るアドレナリンやノルアドレナリンといった攻撃的な気分にさせるホルモンもあります。

お腹が空くとやたらイライラする人がいるのは、それらホルモンが影響しているからです。

これはもう、性格・人格のせいではありません。

自然現象です。

また、ストレスを感じて、甘いものをドカ食いしてしまう人がいます。

これは、問題解決のために脳が大量に糖を必要としている状態です。

脳が糖を大量消費し、イライラホルモンで血糖上昇ホルモンのノルアドレナリンやアドレナリンを分泌させます。

また、副腎皮質から出るストレス解消ホルモンで血糖上昇ホルモンの糖質コルチコイドも分泌されます。

「さあ血糖値を上げて脳の働きを助けて、ストレスをいやそう!」

「甘いものを食べれば、ストレスなんてへっちゃらだぜ!!」

と脳はメッセージを出します。

ストレス満載の現代社会において、甘いもののドガ食いは、もうやむを得ない事なのです。

何かつらいことや嫌なことがあったときに甘いものを食べてすぎても自分を責めることはありません。

これはごく自然な反応なのです。

しかしながら、自然に任せて糖質満載の食事をとり続けては、血糖値はいつでも爆上がりです。

糖尿病への道を進むことになります。

なるべく、ストレスを避け、血糖値を上げなくて済むように生活しましょう。

【妊活と高血糖とインスリン】

では、なぜ高血糖が妊活に悪影響かお話ししたいと思います。

まずは、血糖が高いと体が老化することが分かっています。

血糖が高いと血液中に老化促進物質である活性酸素が発生します。

卵胞も卵子も血液によって栄養されますので活性酸素の影響を受けることになります。

卵子の質が悪くなることが考えられます。

また、先ほどもお話しした通り、頻繁な血糖値の急激な上昇は、インスリンの働きを悪くします。

インスリンの働きが悪くても、何とか血糖値を下げなくてはいけません。

インスリンの働きが悪いなら質より量です。

膵臓は、インスリンをたくさん出し、悪くなったインスリンの働きをカバーしようとします。

血液中のインスリンが多くなるとインスリンは卵胞の膜に働きかけ、卵胞の膜では男性ホルモンをたくさん作ります。

すると、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが悪くなり、卵胞の育ちが悪くなり、排卵できなくなります。

それが「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」です。

「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」でニキビや肥満、まれに起こるひげや体毛が濃くなるといった症状は、男性ホルモンの量が増えることが原因です。

詳しくは、第9回ブログに書いてありますが、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」は、卵胞の育ちが悪くなり、排卵できなくなる不妊症の原因となる病気です。

妊活中の方は、不妊治療専門の病院に行き、ご自身の状態をしっかり把握し、適切な治療を受ける必要があります。

また、甘いものが好きな方で、生理が遅れる、生理が来ない、ニキビが多い、太り気味であるという方は、先ずは糖質を制限して、インスリンが出すぎない食生活をすることが大切です。

鍼灸治療やアロマテラピー・漢方薬などの自律神経の働きを整える治療は、ホルモンバランスを整える有効な治療です。

妊活をしていない方でも、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」は子宮のがんになる可能性がある病気です。

婦人科で適切な治療を受けることをお勧めします。

まとめ

まとめです。

今回のポイントです。

①排卵障害と血糖値の関係

日本人は、血糖値を下げる仕組み【インスリンの働き】が弱い。

飽食の時代のため、血糖値が高くなりがち。

血糖値がいつも高いとインスリンの働きが悪くなる。

インスリンの働きが悪くなると血糖値を下げるため分泌量が増える。

インスリンが大量に出ると卵胞の表面で男性ホルモンを大量に作る。

女性ホルモンとのバランスが悪くなり、排卵しなくなる。「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」になる。

②その対処法

婦人科を受診する。

糖質を減らす。(ダイエット)

自律神経の働きを整える。(生活習慣の改善・ストレス解消・鍼灸・漢方・アロマテラピーなど)

次回予告

次回から、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」のための食生活や運動についてお話ししたいと思います。

ご覧ください。

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