2023年3月6日 News

こんにちは。

千葉市中央区で鍼灸・アロマテラピーで妊活のお手伝いをしている鍼灸整骨うりずんの金親です。

前回は、「不妊」の定義についてお話ししました。

鍼灸治療をしているとよく患者さんからいつから妊娠したといえるのかと聞かれることがあります。

そこで今回は、「いつから妊娠したの?」というテーマで「妊娠初期」についてお話します。

まず初めに、質問です。

妊娠から出産までは約280日ほどですが、妊娠の初日はいつでしょうか?

① 精子と卵子が出合った受精の時でしょうか?

② 受精卵が子宮の内側委たどり着いた着床の時でしょうか?

じつは、両方とも違います。

なんとなく不思議な気もするのですが、まだ何も始まっていない最後の生理が始まった日を妊娠「0週0日」といいます。

生理初日が「0週0日」で、生理から7日目が「0週6日」となり、生理8日目を「1週0日」と数えます。

「なぜ、その週の初日が「〇週1日」ではなく、「○週0日」なんだ」と感じますが、これに関しては、そういうものなのだと割り切るしかないと思います。

ここから先は、生理周期が28日で排卵が14日目ごろにある人のケースで話を進めます。

【妊娠1週目】

1週目に卵巣の中で「卵胞」が大きく育ちます。

【妊娠2週目】

月経から13日目から15日目頃、つまり2週の始まり頃に「卵胞」が約2㎝程度に育ち、「卵胞」からお腹の中に「卵子」を排出します。

これを「排卵」といいます。

すると卵管の先端の「卵管采(らんかんさい)」が「卵子」をピックアップします。

性交渉があり、そのタイミングで「精子」が「卵管膨大部」で待ち受けていて、1つの「卵子」に1つの「精子」が出合い融合することが出来れば「受精卵」となります。

その後「受精卵」は分割しながら、5日~6日かけて卵管の中を子宮内膜に向かっていきます。

「受精卵」が分割したものを「胚」と呼びます。

「排卵」後5~7日目頃には、「胚」は分割が進み「胚盤胞」という形になり、「透明帯」という膜から孵化して子宮内膜に「着床」します。

ちなみに「体外受精」や「顕微授精」で、5日目の「胚盤胞」を移植している場合、本来その「胚」になるはずの卵子の排卵日は5日前のはずなので、移植の5日前が2週0日になります。

【妊娠3週目】

ここから妊娠3週目になります。

最終月経の初日から21日ごろ、 ふ化した「胚盤胞」は消化酵素で「子宮内膜」を溶かしながら潜り込み、根のように広がります。

「胚」は表面には「絨毛」という毛が生えています。

絨毛からは「HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」という妊娠の継続を促すホルモンが分泌されます。

「胚」が着床した付近の「子宮内膜」は「胚」表面の膜とまざり「胎盤」の原型を作ります。

【妊娠2か月 (妊娠4~7週目)】

妊娠4週目から妊娠2か月です。

「HCG」の分泌量は毎日倍々と増加し、4週目の初めごろには、尿の中にも出るようになります。

妊娠検査薬は4~5週ごろに急激に増加し尿中にでた「HCG」を検出し、妊娠反応陽性となるのです。

ちなみに「HCG」は「つわり」の原因にもなりますので、このころから「つわり」の症状が出る方が多くなります。

この時は生化学的に妊娠が判明したので、「生化学妊娠」といいます。

残念ながらここで流産してしまうと「化学流産」ということになります。

5から6週目くらいになるとエコー検査でこれから赤ちゃんや胎盤になる「胎嚢」が確認できるようになります。

ここで臨床的に妊娠が判明しますので、「臨床妊娠」といいます。

ちなみに鍼灸整骨うりずんのホームページ上でのご懐妊のご報告は、初期流産を経験している方と40歳以上の方以外は、「胎嚢」が確認される「臨床妊娠」のタイミングで行っております。

6週から7週くらいで心拍の確認ができるようになります。

4週目から8週目には様々な体の器官が形成されます。

【妊娠3ヶ月 妊娠8週から11週】

妊娠8週目から妊娠3ヶ月です。

8週目ころには人としてほぼ形が出来上がっています。

よく「妊娠9週の壁」という言葉を聞きます。

これは9週の時点で心拍が確認できない、又は6週、7週の検診では心拍が確認できていたのに心拍が見えなくなってしまうことがよくあるからです。

妊娠初期の流産は、多くの場合「胚」の遺伝子の異常や「胚」と「子宮内膜」の間の免疫の問題によって起きます。

9週を超えると不妊専門外来で治療を受けていた方は、不妊治療卒業となり、産科へ転院します。

妊娠12週を超えると流産率も劇的に下がり、妊娠15週には胎盤も完成し、いわゆる安定期となります。

鍼灸整骨うりずんでも患者さんには、12週まではしっかり通っていただけるよう推奨させていただいています。

また、12週を超えると私たちも「もう、大丈夫だろう。」とほっとします。

妊娠12週から15週のことを妊娠4か月といい、ここまでが妊娠初期という時期になります。

妊娠するというのはとても不思議なことです。

とても小さな1つの受精卵が胎盤と3兆個もの様々な細胞を持つ赤ちゃんになるのです。

まさに生命の神秘です。

患者さんの妊娠が分かったとき、おなかがどんどん大きくなっていく時、出産したという報告を頂いた時、また赤ちゃんを連れてきてくれて初めて赤ちゃんに会えた時、本当にこの仕事をしていてよかったと感じます。

これから、妊娠や妊活についての有用な情報をできるだけ頻繁に出していこうと考えています。

次回は、「十分な性交渉をしていますか?」という話題でお話しします。

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