第9回ブログ 「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と不妊について」 その① 多嚢胞性卵巣症候群の特徴
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鍼灸整骨うりずんの金親です。
妊活をしている...etc
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こんにちは、鍼灸整骨うりずんです。
前回のブログでは、「食後低血糖」のメカニズムや、インスリンの急な分泌による副腎や自律神経への影響についてお伝えしました。 第2回の今回は、そんな血糖の乱高下を防ぐカギとなる「補食(ほしょく)=軽い間食」について、東洋医学的視点や分子栄養学の考え方も交えながらご紹介します。
なぜ補食が必要なの?
私たちの体は、常に安定したエネルギー(=血糖)を必要としています。けれど、朝食を抜いたり、昼と夜の間が長すぎたりすると、血糖が下がりすぎてイライラ・眠気・冷や汗・集中力低下などの症状が出やすくなります。
その結果、体は副腎ホルモンを総動員して血糖を上げようとするため、疲れやすさ・不安感・過食傾向にもつながります。
東洋医学で考える“補食”の役割
東洋医学では、食べ物は「気・血・津液(しんえき)」をつくる源と考えます。特に女性の体は、脾(ひ)や腎(じん)の働きが乱れるとエネルギーを維持しにくく、冷えや月経不順、妊娠しにくさにつながることも。
空腹が長く続くことで「脾気虚(ひききょ)」の状態になりやすく、軽く適切な補食を入れることで、胃腸やエネルギーをいたわることができるのです。
補食に適したタイミングは?
タイミング | 状態 | 補食の目的 |
---|---|---|
朝食から3時間後(10時頃) | 血糖が落ちやすい時間帯 | 午前中の集中力・元気の維持 |
昼食から3〜4時間後(15〜16時頃) | 夕食までの“空腹の谷” | 夕方のイライラやドカ食い予防 |
就寝前(空腹がつらいとき) | 夜間低血糖が起きそうなとき | 睡眠の質や夜間の不安感予防 |
どんなものを食べればいい?
補食のポイントは、血糖値を緩やかに安定させることです。そのためには、糖質だけでなく少量のたんぱく質や脂質を組み合わせて、急上昇を防ぐことが大切です。
基本の目安
- カロリー:100〜150kcal程度
- 糖質:10〜15g(なるべく低GI)
- 組み合わせ:たんぱく質や良質な脂質を一緒にとる
副腎疲労や血糖コントロールが乱れやすい方へ
血糖値が乱れやすく、特に「疲れやすい」「朝がつらい」「甘いものがやめられない」といった傾向のある方は、体がストレスに対応する力が弱くなっている可能性があります。
このような状態は、近年「副腎疲労(ふくじんひろう)」という言葉でも知られるようになってきました。
副腎疲労とは?
副腎とは、腎臓の上にある小さな臓器で、「コルチゾール」などのストレスに対応するホルモンを分泌しています。
ところが、ストレス・寝不足・過労・血糖の乱高下などが重なると、副腎が疲れてホルモンがうまく出せなくなり、
- 慢性的な疲労感
- 甘いものやカフェインへの依存
- 朝が特につらい(歯の食いしばり・朝から肩こり腰痛・疲れが取れていない
- 睡眠の質の低下(夜にお手洗いに行く・何もなくても2:00から4:00ごろに目が覚めてしまう)
- 気力・集中力の低下
- 気分の落ち込みや不安感
などの不調が出やすくなります。
これはまだ病院の検査では見逃されやすい“未病”の段階とも言われており、日々の生活や食習慣が大きく関わっています。
補食は、副腎へのやさしいサポートになる
このような状態のとき、空腹や血糖の急降下は体にとって大きなストレスになります。 そのため、分子栄養学では「補食の糖質量を最小限に抑え、こまめにとる」ことがすすめられています。
たとえば、干し芋を使う場合も、
中サイズ1枚のうち、1/3枚(指2本分程度)=糖質約5〜7g
という“ほんの少しの量”からスタートするのが理想的です。
補食におすすめの具体例
食材 | 分量 | 補足 |
干し芋(中サイズ) | 1/3枚程度 | 低GI・自然な甘み。食物繊維が多い。 |
甘栗 | 4〜6粒 | 食物繊維が多く腹持ち◎ 血糖の上昇も穏やか。 |
ナッツ(アーモンド等) | 5〜10粒 | 良質な脂質で血糖安定。糖質と組み合わせると効果的。 |
ゆで卵 | 1/2〜1個 | たんぱく質の補強に。甘栗や干し芋と好相性。 |
プレーンヨーグルト+オートミール | 大さじ1程度 | 発酵食品+食物繊維の組み合わせ。糖質は控えめに。 |
避けたい補食
- 甘い菓子パンやスナック
- 清涼飲料水・缶コーヒー
- 糖質単独の摂取(特に空腹時)
- カフェインのみで空腹をしのぐ
補食は「体にやさしいエネルギー補給」
副腎や自律神経が疲れている方ほど、血糖値の“波”がストレスそのものになります。そんな方こそ、補食は「お腹を満たすため」ではなく、体を守るための“ちいさな手当て”としてとらえることが大切です。
とくに妊活中やホルモンバランスを整えたい方には、こうした日々の補食が体のリズムを整える下支えになります。
鍼灸整骨うりずんでは…
当院では、妊活・不妊治療に特化し、東洋医学の観点から体質を整える施術を行っています。
鍼灸やよもぎ蒸し、ホットストーン、アロマ、カッピングなどを通じて、女性の「気・血・水(津液)」の巡りを助け、ホルモンバランスや自律神経をやさしくととのえていきます。
食事や生活習慣も含め、“授かる力”を育てるサポートを行っていますので、どうぞお気軽にご相談ください。
✅次回予告
第3回では、補食のひとつとしておすすめの「はちみつ水」の活用法をご紹介します。 「ちびちび飲むだけで、血糖が安定する」やさしい“経口点滴”のような存在です。お楽しみに!
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