
こんにちは。
鍼灸整骨うりずんの金親です。
妊活をしていると、「体にいいものを食べよう」「ホルモンバランスを整えよう」と、食生活に気をつける方が多いと思います。その中でも、特に気をつけていただきたいのが「トランス脂肪酸」です。実はこの脂肪、体にとって「偽物の脂」ともいえる存在で、妊娠のしやすさにさまざまな悪影響を及ぼすことがわかっています。
さらにトランス脂肪酸が腸の状態を悪くし、「リーキーガット」と呼ばれるトラブルを引き起こすことも注目されています。今回は、妊活と脂の質、腸内環境の深い関係についてお話しします。
トランス脂肪酸ってなに?
トランス脂肪酸は、植物性の油に水素を加えて固めた加工油脂に多く含まれています。お菓子やファストフード、冷凍食品などの「サクサク・カリカリした食感」を出すためによく使われていて、以下のような食品に多く含まれています。
- マーガリンやショートニング
- クッキーやビスケット
- ポテトチップスなどのスナック菓子
- インスタントラーメン
- ファストフードの揚げ物(フライドポテトなど)
- 一部のパンや冷凍ピザ、パイ類
「トランス脂肪酸ゼロ」と書かれていても、実は微量含まれている場合もあり、完全に避けるには注意が必要です。
妊活中にトランス脂肪酸がよくない理由
トランス脂肪酸が妊活に与える悪影響は多くあります。代表的なものを紹介します。
■ 卵子や子宮の細胞膜を硬くする
細胞の表面には「細胞膜」という脂でできた膜があります。この膜が柔らかく流動的であることで、細胞の中と外のやりとり(栄養・ホルモン・情報伝達)がスムーズになります。
ところが、トランス脂肪酸が細胞膜に入り込むと、膜が硬くなってしまい、卵子の質が下がったり、子宮内膜の状態が悪くなったりすることがあります。
■ ホルモンバランスを乱す
トランス脂肪酸は「インスリン抵抗性(血糖をコントロールする力の低下)」を引き起こすと言われており、それが女性ホルモンのバランスを乱す原因に。排卵障害や月経不順などにもつながりやすくなります。
■ 腸の不調=「リーキーガット」を引き起こす
トランス脂肪酸は腸のバリア機能にも悪影響を与えます。これが次に紹介する「リーキーガット」という問題と深く関係しています。
腸のトラブル「リーキーガット」と妊活の関係
「リーキーガット」とは、腸の粘膜が傷ついて、本来入るはずのない毒素や未消化の食べ物が血液中に漏れ出してしまう状態のことです。
腸の粘膜はたった一層の薄い細胞でできており、ここがバリアの役割を果たしています。しかし、トランス脂肪酸、過剰な糖質、加工食品、ストレスなどが続くと、このバリアが壊れてしまい、腸に「すき間」ができてしまいます。
このすき間から異物が体内に入ると、体はそれを「敵」とみなして攻撃を始め、慢性的な炎症や免疫の過剰反応が起きやすくなります。
さらに、腸内環境が悪化すると次のような妊活への悪影響が起こりやすくなります:
- ホルモンバランスの乱れ(腸はホルモン代謝の中心でもあります)
- 栄養の吸収不良(葉酸・亜鉛・鉄などが不足しやすくなります)
- 子宮内膜の状態悪化(血流や免疫に影響)
- アレルギーや自己免疫反応の活性化(受精卵の着床が妨げられることも)
「トランス脂肪酸フリー」のジャンクフードにも落とし穴が!
最近では「トランス脂肪酸ゼロ」と書かれた商品が増えていますが、代わりに「パーム油」が使われているケースが多いです。
パーム油は飽和脂肪酸を多く含み、過剰摂取により炎症を引き起こしやすいことが知られています。また、高温で加工されることで酸化しやすく、体に有害なフリーラジカルを生み出すことも。
つまり、トランス脂肪酸が入っていないからといって安心とは限らないのです。
妊活中に意識したい「脂の質」
妊活におすすめなのは、以下のようなオメガ3脂肪酸を多く含む食品や、良質な植物性脂肪です:
アボカドやナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸(ビタミンEなども豊富)おすすめなのは、以下のような体にやさしい脂質:
青魚(サバ・イワシ・サンマなど)に含まれるDHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸
えごま油、亜麻仁油(どちらもオメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含みます/非加熱で使用)
そして、ジャンクフードや加工食品、ファストフードはできるだけ控えるのが理想です。
まとめ:妊娠しやすい体づくりは「腸と脂」と「鍼灸ケア」から
トランス脂肪酸や加工油脂を避け、腸をいたわる食生活をすることで、ホルモンバランスや免疫、卵子の質など、妊娠に必要な土台が整ってきます。腸の健康は、赤ちゃんを迎える体の「基礎工事」のようなものです。
鍼灸整骨うりずんでは、鍼灸治療を通じて体質改善・ホルモンバランスの調整・自律神経の安定などをサポートし、妊活・不妊治療に取り組まれる方に寄り添いながらお手伝いしています。
「何から始めたらいいのか分からない」
「妊活のために体の内側から整えたい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
関連記事
TOPに戻る