妊活と水溶性食物繊維 〜腸を整えることが“授かる土台づくり”につながる理由〜

千葉市の妊活専門鍼灸院「鍼灸整骨うりずん」です。

妊活中は、鉄・タンパク質・ビタミンなどの栄養がよく注目されますが、これらの栄養がしっかり働くためには、まず 腸内環境が整っていること がとても大切です。

その腸の環境づくりに役立つのが 水溶性食物繊維 です。

「食物繊維＝便秘対策」というイメージを持つ方が多いですが、妊活ではそれ以上に大切な働きがあります。

ここでは、できるだけわかりやすく、その理由をご紹介します。

■ 水溶性食物繊維とは？

食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。

このうち水溶性食物繊維は、水に溶けてとろみを出し、腸内細菌のエサになる性質があります。

代表的な水溶性食物繊維

・ペクチン（りんご、柑橘類 、山芋、長芋など）

・フコイダン・アルギン酸（海藻類）

・グルコマンナン（こんにゃく）

・β-グルカン（大麦、きのこ類）

これらは 善玉菌を増やすためのエサ（＝プレバイオティクス） として知られています。

■ 妊活に良い理由①
善玉菌が増え、女性ホルモンのバランスが整いやすくなる

水溶性食物繊維は、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌のエサになります。

善玉菌が元気になることで腸内環境が整い、女性ホルモンのバランスにも良い影響がある と考えられています。

最近では、腸内環境が女性ホルモン（特にエストロゲン）の代謝に関わることがわかっており、「エストロボローム」という概念も注目されています。

腸の状態が良いほど、不要になった女性ホルモンが体の外へ出やすく、ホルモンの乱れが起こりにくいと言われています。

■ 妊活に良い理由②
血糖値の急上昇を防ぎ、卵子の質を守る助けになる

妊活では、血糖値のコントロールがとても大切です。

水溶性食物繊維には、食べたものの消化や吸収をゆるやかにして、食後の血糖値が急に上がるのを防ぐ働き があります。

血糖値が急に上がる → インスリンがたくさん出る → ホルモンバランスが崩れやすくなる

この流れは卵子の状態にも影響すると考えられています。

特に、PCOS（多嚢胞性卵巣症候群）の方にはプラスに働きやすいと言われています。

■ 妊活に良い理由③
腸内で“葉酸やビタミンB群”が作られやすい環境になる

葉酸やビタミンB群は、妊娠を希望する方にとって大切な栄養素として知られています。

実は、これらの一部は腸内細菌によって作られていることがわかっています。

水溶性食物繊維をとって善玉菌が増えることで、体の中で葉酸やビタミンB群が作られやすい環境づくりに役立つと考えられています。

サプリだけに頼るのではなく、体の中で作れる仕組みを整えることがポイントです。

■ 妊活に良い理由④
短鎖脂肪酸が腸を守り、免疫や炎症バランスにも良い影響

水溶性食物繊維が善玉菌に発酵されると、**短鎖脂肪酸（酪酸・酢酸・プロピオン酸など）**が作られます。

短鎖脂肪酸には次のような働きがあります。

・腸のバリア機能を高める

・腸粘膜を守る

・免疫バランスを整える

・炎症をおさえる方向に働く

腸に炎症があると、自律神経やホルモンにも影響し、妊娠を目指す体には負担になります。

短鎖脂肪酸は、それをケアする助けになると言われています。

■ 妊活中におすすめの水溶性食物繊維食品

毎日の食事に、1〜2品 水溶性食物繊維の食品を取り入れることをおすすめします。

食材	主な成分	ポイント
めかぶ・もずく・わかめ	フコイダン・アルギン酸	ミネラルもしっかり補給できる
オクラ・モロヘイヤ・長芋	ペクチン	粘りが腸をやさしくサポート
こんにゃく	グルコマンナン	手軽で続けやすい
りんご（皮ごと）・柑橘類	ペクチン	おやつ代わりにもおすすめ
大麦・押し麦	β-グルカン	ご飯に混ぜるだけで簡単に習慣に

腸が弱っている方は、少量からはじめると安心です。

■ まとめ 〜まずは“腸の土台”づくりから〜

水溶性食物繊維には、

・善玉菌をふやして腸内環境を整える

・血糖値の急上昇を防ぎ、ホルモンを守る

・葉酸・ビタミンB群が作られやすい体づくりに役立つ

・炎症や免疫バランスのケアにつながる

といった働きがあり、妊娠しやすい体の土台づくりを支える存在と言えます。

◇ 鍼灸整骨うりずんより

当院では、鍼灸による妊活サポートに加え、体質や腸の状態に合わせた食事アドバイスや腸活サポートを行っています。

便秘や下痢、ガスが溜まりやすい、甘いものがやめられないなどのお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

“体の外から入れる栄養”だけでなく、体の中で整えていく力も大切にしていきましょう。